預かり宅に来たのは、2月19日の夜。
いつもお世話になっているkakoさんの車に乗って、鼻泣きするのを、大丈夫よ、と、励まされながらやってきました。
首や胸周りの太いがっしりとした体格で、作出された当初のドーベルマンのようです。
来た当初、リュッツォは何も知りませんでした。
コマンドもお散歩も…。
預かり宅の周りを歩くだけのお散歩だって、立ち止まり、立ち止まり…。
テキパキ歩けば3分もかからない道のりを、15分以上かけて歩きました。
体重を支える筋肉もなく、後ろ足は曲がったままで、このまま、足が伸びることはないんじゃないか、モンローウォークは股関節形成不全によるものではないだろうか、うまくオシッコができないのは疾患があるからなのか…と散々心配をしました。
ちなみに、預かり宅では初の雄です。
オシッコは、こいぬスタイルと、足上げスタイルと、両方します。筋肉がなくて、足が微妙にしか上がらなかったのです。
去勢手術の際、心配なことは全て検査をしました。
結果、レントゲンもエコーも問題なしでした。
今では足はスッキリ伸び、モンローウォークでもなくなり、筋肉がつき始めてお散歩の距離が伸びて来ました。
フィラリアも陰性で、どこと言って問題のない、健康体です。
毛布さんが大好き。
ボール遊びも知りませんでしたが、フワフワ厚手の毛布と日向ぼっこが大好きです。
ちなみに、毛布はガジガジして穴を開けてしまいます。飲み込みはしませんし、咥えてブンブン振り回したり、胸の下に敷いてハミハミしたりと、全力で楽しんでいますので、破れても良いことにしています。
今日は、鹿ツノデビューもしました。
とっても楽しんでいます。
学習能力が高く、2週間の間に、ダメを覚え、スワレを確定中です。
おトイレ学習も順調です。
マーキングは、ほとんどしません。まだ失敗してしまうこともありますが、夜の庭や朝晩のお散歩時にさせるようにしています。留守番の長いお宅でなければ、粗相はほとんどないと思われます。
まだ3歳と若いこともあり、動けることが嬉しいらしく、散歩やお部屋内ジャンプで体がどんどん引き締まり、運動能力も高まってきています。
顔立ちは、なかなか可愛らしく、重厚な体つきに反し威圧感のない雰囲気です。
目がポワーっとしているせいですね、きっと。本当になーんにも知らないので、まっさらさらのこいぬと同じ心持ちです。
今後の育て方一つで、問題児にも優等生にもなり得ます。
今はこいぬと同じで、お行儀が良いとは言えず、飛びつきや甘噛みがあります。
リュッツォは、体重28.5kg。
これらは、やめてもらわなくてはいけません。
引き続きの指導が必要です。
また、無邪気さと同時に、難しい面があります。
お散歩後の足拭きが嫌いで、お口が出ることのあること、オシッコ後に褒めながら背面側から高い声で撫でると顔が近づきますが、唸ることのあることです。
それぞれ一回ずつですが、この事実を忘れ、見過ごしてはいけません。
この体格で、身体能力の高い犬種ですから、十分な注意と首尾一貫した指導が今後も必要です。
当の本人は、至ってご機嫌。
嫌なものを嫌と言っただけで、悪気も無いのです。
しかし、もし保護犬を家族に迎えるのに難易度があるとするなら、リュッツォの難易度は高めと言えます。
このため、リュッツォの興奮を誘発するようなキャピキャピキャーキャーとした賑やかなご家族よりも、規律と節度のある、どっしりと落ち着いて安定感と包容力のあるご家族が向いています。
対応さえ間違えなければ、無邪気で学習能力の高い、初めて甘える喜びを知り、ナデナデするととても気持ちよさそうにウットリとしている、とても可愛いワンコです。
信頼感の中でリュッツォとの上下関係を築き、まだ若いリュッツォが虹の橋を渡るその日まで共に歩み、こいぬリュッツォを守り抜くことのできる、体力と根気と根性と、心に余裕のあるご家族の目にとまりますように。
猫のように体を私の足にこすりつけながら甘える喜びを享受しているリュッツォと、一歩一歩進みながらご縁が来るのをお待ちしております。